秋は鰊のシーズンです。そして、ヘルシンキのマーケット市場では、にしん市が立ちます。こちらの鰊の食べ方は、いたってシンプル。生の新鮮なものをお酢などに漬けてピクルスのようにして食べます。こちらでは鰊の酢漬けの瓶詰めなどもよく見かけます。

Visit-finlandPhoto by Visit Finland / Jussi Hellstén

そして、この酢漬け、オーランドから船で売りに来る人が多く、港に沢山のオーランドからの船が着きます。オーランドは、言語や習慣がスェーデンの影響を強く受けているフィンランド領の島で、自治や自分達の旗の掲揚が許されています。その昔、この島の領有権をめぐり、フィンランドとスェーデンの間の緊張が高まったとき、当時の国連事務次官だった新渡戸稲造が、言語はスウェーデン語、領土はフィンランド領、そして自治権を認め独自の国旗掲揚を認める裁量をしたことから、新渡戸稲造はオーランドの恩人として認知されています。

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鰊の主な産地は、フィンランドの西側ボスニア湾で、獲れる鰊の90パーセントが加工用にロシアなどへ輸出されます。フィンランドに出回るのは残り10パーセントなんですね。

鰊は鮮度が命で、すぐに痛んでしまうので、酢漬けなどの加工法がすごく発達しました。ヨーグルト漬け、酢マスタード漬け、レモン漬け、ディル味、オールスパイス味、など色々なバージョンがあります。私は酢マスタードとレモンが好きなので、毎年この2つは同じ船から買っています。マリネする人によってそれぞれの味があり、気に入った味を探してまた来年同じ人から買うようにしています。

このにしん市、多くの人でにぎわい、秋の風物詩になっています。

Visit-finland-ewan-bellPhoto by Visit Finland / Ewan Bell

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安藤マサリン 絵里子
フィンランド生活20年を迎える料理研究家。
美味しく美しい料理を作ることをモットーに日々料理を楽しんでいます。
食を通してフィンランドの日常生活や文化をブログで紹介していきたいと思います。
北欧の生活様式や食べものをより身近に感じて頂けたら嬉しいです。