日本にいる友人に、「フィンランドは魚介が豊富なんでしょう?」と言われる事が多いのですがこれはちょっと違います。北海道と同じ様な感じ?と思われている方が多いようですが、魚の種類に関して言えば、日本に勝るところはない、と断言できます。

フィンランドで一般的に手に入る魚は限られています。サーモンと、白身魚数種(Kuha, Siika, Kampela, Ahvenなど)と、サーモン種のサーモンに似たお魚(Kirjolohi, Nieriä)鰯と鰊の間のような魚(Silakka)、ワカサギに似た湖の魚(Muikku)、など。秋刀魚やさばに代表されるような脂ののった青魚のようなものがあまりないので、オーブンで焼く、ソテーする、というのが一般的な魚の食べ方。

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フィンランドで一番美味しい魚は、なんと言ってもサーモンでしょう。サーモンをフライパンやオーブンで焼く、もしくはスープで、というのがよくあるサーモンの食べ方ですが、サーモンは生でも半生でも美味しく頂ける大変貴重なお魚です。そして、日本ではなかなかお目にかかれない大きさで売っているので、旅行者の方に写真左の状態でお出しすると驚かれます。そのままでしっかりと美味しいサーモンは、塩とレモンだけでも十分美味しくいただけますしクリーミーなソースをかけてもまたとても美味しく頂けるオールマイティなお魚です。

サーモンスープは家庭でもレストランでも、たぶんフィンランド人がもっとも食べている料理かもしれません。どんな人が作ってもそんなに失敗しない、という手軽さもいいですね。

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日本人同様、魚の生にはあまり抵抗のないフィンランド人。サーモンやシーカと呼ばれる海の白身魚には、スモーク(燻製)にしたり、クラービ(塩漬け)などが好んで食べられています。日本でスモークというと、半生、表面のみ燻製になっていて中が生のスモークサーモンが代表的ですが、フィンランドには、Kylmäsavustettu(中が生)とLämminsavustettu(中まで火が通っている)の2種類あります。どちらもレストランやお店でよく目にしますし、パーティやビュッフェ料理でも必ず出てきます。

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中まで火の通ったものもとても美味しくて、サラダと一緒に食べるとそれだけで立派な食事になります。

クラービは生の皮つきサーモンフィレなどに荒い岩塩をかけます。普通の塩にしてしまうと塩分がすぐにはいってしまうので、塩が少しずつ溶けてゆっくりと塩分が魚に入っていくために、目の粗い岩塩を必ず使います。そしてディルを散らします。そして、一番大事な調味料、砂糖を一振りします。砂糖は旨みの一種です。日本で魚を〆るときに、昆布で〆たりしますが、昆布も旨みの塊ですね。フィンランドでは砂糖を使います。甘みを出すためではないのでほんの少し、旨みを出すために振ります。そして、後はお好みでピンクペッパーや、私は少しウィスキーやコニャックなどを振って風味を足します。 

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こうして6時間後~くらいから美味しく頂けます。そして、よく切れる包丁で削ぐように薄くスライスします。これも大事なポイントです。

Cover photo by Visit Finland

 

 

 

安藤マサリン 絵里子
フィンランド生活20年を迎える料理研究家。
美味しく美しい料理を作ることをモットーに日々料理を楽しんでいます。
食を通してフィンランドの日常生活や文化をブログで紹介していきたいと思います。
北欧の生活様式や食べものをより身近に感じて頂けたら嬉しいです。