フィンランドが世界に誇る食材は、なんと言っても多種多彩なベリーたち。日本人になじみの少ない希少種のベリーやら、おなじみのブルーベリーやイチゴなど、それぞれに味や特徴、栄養価が違い、フィンランド人が最も愛する食材です。

eriko-berriesフィンランドのマーケット市場 Photo by Visit Finland

eriko-berriesマーケット広場に並ぶベリー

ベリーは、ジャムやデザートに使われるだけでなく、お肉、とりわけトナカイ肉やヘラジカ肉などの野生肉やジビエ的な料理に欠かせない調味料です。そして、近年はその栄養価がクローズアップされ、フィンランド人の毎日の食事に欠かせないものでもあります。

eriko-berriesポロンカリステュス(Poronkäristys)、トナカイのソテーは、マッシュポテトと酸味の利いたリンゴンベリーのソースを添えて。

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私の娘も風邪や高熱で何も食べれない~、というとき、決まって「ラズベリーなら食べられる」というのです。クレープにラズベリーとチョコレートソースをかけたものを巻いたりして食べさせます。ベリーを沢山使ったタルトは、簡単なのに美味しくて豪華に見えるのでよく作っています。

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多くのベリーの収穫時期は夏。豊かな森が最も緑豊かで生き生きと命の輝きを増す季節にベリーは旬を迎えます。森には野いちご、ビルベリー、コケモモ、クラウドベリー等、命の栄養が沢山詰まっています。 フィンランド人は、この季節に一年分を収穫し、ジャムにしたり、冷凍したり、乾燥させたり、冷暗所でそのまま保管したり(コケモモ)、とそれぞれの用途と特徴に適した状態に保存し、一年をかけて食します。 毎朝ヨーグルトに入れて、肉料理の付け合せや調味料に、パイやケーキに入れて、そして、アイスクリームのお供にも。

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これはまるで冬眠前の熊が冬眠に備える様にも似ていて微笑ましいです。 余談ですが、フィンランドの熊は冬眠前に沢山のベリーを食べて栄養を蓄えます。だから、田舎にある我が家のサマーハウスの近くでベリーが沢山含まれた大きな大きな糞を発見したときに、 「あ、このあたりに熊がいるんだ~」と分かったのです。そのときは、怖いというより、人間と同じ事をしている熊に親近感を覚えました(笑)

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かくいう私も昨夏はバケツ7杯のコケモモを収穫し、半分をおすそ分けし、半分をちびちびと毎日食べています。日本の母もこれが大好きで、里帰り時に沢山持ち帰っていた思い出があります。闘病中もこれを食べると元気になると言って、命をつないでいたことを思い出します。冬は日照時間が少なく、昔は野菜も種類が少ない環境でも健康に生きてきたフィンランドの人達を支えてきたのは、森のベリー達と言っても過言ではないのです。

 

 

 

安藤マサリン 絵里子
フィンランド生活20年を迎える料理研究家。
美味しく美しい料理を作ることをモットーに日々料理を楽しんでいます。
食を通してフィンランドの日常生活や文化をブログで紹介していきたいと思います。
北欧の生活様式や食べものをより身近に感じて頂けたら嬉しいです。